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原作小説ウィッチャー【感想まとめ④】短篇・値段の問題

解説小説ウィッチャー短篇・値段の問題 ドラマと比較
ゲーム以外
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ゲラルトの生まれる前からその運命が決まっていたように

シリも生まれる前からその運命は決められていた

今回はそんなお話。前回のお話はコチラ

値段の問題

舞台はヤルーガ川・南にある「シントラ」王国

©2006ウィッチャー3ワイルドハント攻略データベース

ゲラルトがウィッチャーになるきっかけを語りその後の運命に導かれるお話

本章はNetflix・1stシーズン「4話 宴、命、葬」で映像化されています。あわせてお楽しみください

本章

【あらすじ】シントラのパヴェッタ王女婚約の宴に招待されたゲラルト。依頼内容を聞かされたのは宴の最中だった!「シリ」との出会いへと続く重要な回

花婿選びの宮廷で怪物退治を頼まれたウィッチャー。闘うのは運命とだった

≪登場人物≫

ゲラルト:宴ではフォーフォーン国ラヴィクス閣下。専用の紋章は左に向かって右前足を出す黒い熊に両手を上げてまたがる、髪を垂らした青いドレスの乙女…(笑)

パヴェッタ王女:シントラ王国の王女15歳。父は亡きログネル王で母は聡明なキャランセ女王。外見は母譲り。フォースを使うことから「生娘」ではない。隔離遺伝で強力な力を引き継いでしまったようだ

キャランセ女王:王女の結婚相手を探すため宴を開催。淡い灰色の髪にエメラルドグリーンの瞳。エイストの想い人

アーレンワールドのアーケオン:突如宴に現れた珍客。化け物と罵られるもじつは魔法使いの呪いで姿を変えられていた人間だった。またの名をダニー or エムヒル。見た目はハリネズミです

花婿候補を連れてきたスケリッジ一行
エイスト・トルシーチ:ブラン国王の助言役。屈強な戦士でキャランセ女王の想い人

クラフ・アン・クライト:ブラン王の甥。赤毛の若者。エイストの血も流れているとか…今回の婿候補

マウスサック:ドルイド:ブラン国王の助言役。すべてを見通すような黒い瞳をもつ。パンくずやごみなどで「ルーン文字」を描き何かを訴えかけたり、ゲラルトと目で状況の危険さを語る様子が面白く描かれる。私のお気に入りです

サスケ
サスケ

「驚きの法」とは何なのか?ゲラルトとシリの運命が今つながる

≪ストーリー≫

シントラでは女は君主になれない。女王は再婚を望んでいないため王女の結婚相手が王になるという。婚姻による同盟相手は屈強な男が多いスケリッジの王子を予定していた…宴たけなわ、突如あらわれた不審な訪問者を相手に用意周到立ち回るキャランセだった

見どころはゲラルトとキャランセ女王の応酬

はじめウィッチャーの自分が雇われたのは「刺客」=スケリッジとの婚姻を妨害する相手を殺すことだと思っていて「理由の善悪に関わらずカネのために人を殺したことはない。そしてこれからも」と依頼を突っぱねる

キャランセの意見】王という者は人を二種類に分ける。命令を言いつける相手と買収する相手。人は誰でもカネで買える、古くからの真実に固執している。たんに値段の問題

ゲラルトの歯に衣着せぬ発言に立腹し「上から発言」するキャランセ

バチバチ火花を散らす二人。周囲からは優雅に会話しているようにみえるやりとり

ゲラルト意見】この席にはあなたが望むようなふさわしい人物が座るべきだった。命令するか、もしくはカネで買えばいい。単に値段の問題だ。陛下の隣に座ることには抑えきれないほどの誇りを感じている。そして誇りは我々ウィッチャーにとって大きな意味がある

最後にはゲラルトのことを認めた女王「自ら請け負う」=報酬額を決められるよう提案

ほかに手はない。おまえには選ぶ権利がある。わたしは「おまえをカネで買える」とは言わなかった、なぜならウィッチャーの誇りを傷つけないと決めたから。これは大きな違いではないか?

4ページ後、ようやく依頼を「YES」で引き受ける

その後「珍客」の登場で明かされる事実。今は亡きログネル王の命を救う際「驚きの法」が結ばれ、その後産まれた王女を貰うことになった。同盟を邪魔する意図はなく元からあった約束だったと

キャランセはこの事を知っており婚約者候補たち(自国・有力貴族の息子たちも招待していた)をきつけ故意に妨害しようとした

驚きの法】誰かの命を助けたものが求める対価、不可能に思える望みのこと。誓いは運命の力がそれを認めたときにしか果たされない
例)「すでに持っていながら、そうと知らないものをいただく」⇒母親が妊娠しているのを知らない父親の対価は子供。この運命づけられた子供を驚きの子と言う。ゲラルト自身も「驚きの子」で幼少時に親と引き離されている

その後約束を無下に扱えば足元から崩れ落ちるのはキャランセ自身だとエイストに諭される。臣下と王を結びつけるのは王族の言葉だけ「協定・同盟・特権・領地」で王の言葉の絶対性を揺るがせばどうなるのか!と

アーケオンは呪われた姿を晒し「化け物」だと思われてしまう

かに
かに

また「呪われた怪物」のパターン。ここでは言及されてませんが今回も魔法使いが悪さしています。詳細はかなり後の巻で明らかになる

結局パヴェッタ王女の同意が必要だとゲラルトに言われ、問われた王女の返答は「YES」。その言葉に室内は動揺。アーケオンは命を狙われ刺されるもギリギリのところでウィッチャーが守る

だが刺された姿に「ダニー――」と絶叫する王女。フォースの源流が駆け巡り壊れ始める城。ゲラルト&ドルイドのタッグでなんとか取り押さえ正気に戻る王女。嵐の中キャランセ女王を守り公衆の面前で愛を囁くエルンスト

ドタバタ劇の後、ダニーと呼ばれたアーケオンは精悍な顔つきの青年になっていた。一日のうち夜中の12~明け方までしか呪いは解けず2人は相思相愛で深夜密会していたと告白

キャランセ女王は2人の関係を認め「まだ王になるのは早い。エルンストの後で」今後二つの婚礼が執り行われると伝える。時刻は朝を迎え日の光の中微笑みあう若い二人。呪いは無事解けた

Q:王女の返事で何故呪いは解けなかったのか?
A:パヴェッタ王女の父親はエイストだから

このことは作中明らかにはされていません。ただそれらしい態度がとられ言葉の端々に現れているのみです。興味のある方は読んでみて。美しい母娘がでてきて娘の容姿が父親に似てる描写がないと疑い深くなってしまう

個人の意見を述べるとログネル王が実の父でない場合「約束自体無効」で反故にしていいと思えますが…実の母親が認め呪いは解けたのだった。誓いは運命の力がそれを認めたときにしか果たされない、パヴェッタではなくキャランセ女王だった意味はなんだろう

ゲラルトがやたら「驚きの法」に詳しいのは自分が一度経験してるからなんですよね…当事者として

ウィッチャーになるには運命の陰の中に生まれねばならず、ほとんどいない。だから数が少ない。自分たちの知識や能力を誰に伝えるともなく老い死んでいく。後継者がいないのだ。この世は悪に満ち、ウィッチャーが一人もいなくなる日を待っている

女王やダニーからお礼がしたいと言われ、ダニーに対し上記の返答をする。ウィッチャーは子が作れない

直後顔を赤らめうつむき周囲の問いかけに返答する王女で〆られる。おめでたのようですが詳しく書かれずにこの話は終わっています

私のお気に入りマウスサックは王女のフォース指導役に任命される

時系列
  • 15年前
    アーレンワルドでダニーに命を救われるログネル王

    「驚きの法」で難をしのぐ

  • 現在
    パヴェッタ王女15歳の祝賀会

    大活躍のゲラルトは褒美に「驚きの法」を望む

  • 6年後
    シントラを訪れ運命の結果を聞くと約束

    望んだくせにあまり乗り気でないウィッチャー

【まとめ】一見大団円を迎えたような錯覚に陥るが実は違う。ゲームをクリアしている方はお分かりだろうが問題は「腹に宿ったばかりのシリ」とその「父親」なのだった。愛と裏切りは続くよどこまでも

ドラマ版「値段の問題」との違い

Netflix・1stシーズン 第4話

・ヤスキエル(ダンディリオン)に同行するウィッチャー
>>招待されたのはヤスキエルでゲラルトは彼の警護役としてついていく

・過去エイストがキャランセ女王に幾度も求婚
>>秘め事のにおいはしない。小説では恋心をお互い周囲には隠して接しているのがよかった

・キャランセが直接ダニーの息の根をとめに動き直後娘に超音波攻撃喰らう
>>女王は男勝りな登場の仕方で力強く描かれる。魔法が使えない分白兵戦強そう!

・ダニーの呪いは姫とのキスで解けるetc

【まとめ】小説の方が人間関係に奥行きを感じるもののドラマ版の方がわかりやすい。父親が実は違って~なんて伏線入れてたら一話丸ごとかかりそうですものね

理性の声5

4の続き

ネンネケに嫌われているゲラルトの友人ダンディリオン。ヴィジマでの活躍と負傷を聞きつけて訪問にきたようだ

ゲラルトは自分と吟遊詩人風情の男が「正反対だから惹かれる」とネンネケに伝えるも受け入れられない(笑)

今後どうするか聞かれ「仕事(怪物退治)が見つからないから南に行こうとしている」との回答に暇だからついていくと友

ダンディリオンの会話は時に論理的で流麗

「詩とリュートの響きを求める声は減りはしないが、きみたちウィッチャーは熱心に働けば働くほど仕事は減っていく。最終目的は怪物のいない平和な世界だ。ウィッチャーなどいらない世界。逆説的じゃないか

直後2人の出会いが語られる

グレトの祭りで妊娠させてしまった女の子には屈強な4兄弟がいた。殺意を向けられ追いかけまわされていた所でゲラルトと出会い連れだって逃避行。展開がウンチ過ぎる(笑)

「その後世界の果てまで行った「花の谷」を覚えているかい?」

≪登場人物≫

ダンディリオン:オクセンフルトのアカデミーで学んだ経験のある名高き詩人。周囲の王侯貴族や領主に詳しく女癖が悪い。言うことはやたら荘厳で面白いが「かにゲームBlog」管理人の印象はあまりよくない

かに
かに

次の章タイトルが「世界の果て」なので理性の声5のラストから続く回想シーンなのかな?残す所2章です、そろそろシントラにシリを迎えに行く頃合いなはず…ですよねゲラルトさん?

【短篇集I・残りの章はあと2つ】まったり更新中
>>ウィッチャー 一粒の真実 小さな悪 値段の問題 世界の果て 最後の願い

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